【雛形つき】自筆証書遺言とは?書遺言の作成手順と書き方を徹底解説

遺言書を残す場合、最も手軽に利用されているのが「自筆証書遺言」です。ご自分で思い立った時に作成できるのが魅力の1つであり、2020年からは法務局での保管制度もスタートし、今後さらに利用したいと考える方も増えるかもしれません。

しかし、自筆証書遺言は気軽に作成できる反面、書き方のルールがいくつもあり、これが守られておらず無効になってしまうケースも多々あります。

今回は自筆証書遺言の作成手順や書き方、注意点などを解説していきます。

 

自筆証書遺言とはどんなものか?

自筆証書遺言とは、全文ご自身による手書き(自筆)で作成する遺言書です。タイトルや日付、本文など全て自筆で書かなくてはならず、手軽な反面、ミスも起きやすい側面があります。

自筆証書遺言での書き間違いや内容の有効性を懸念する方には、公証役場で作成する「公正証書遺言」という方法もあります。

遺言書の種類や概要を知りたい方は、こちらの記事も確認しておきましょう。
>>遺言書とは?自筆証書遺言と公正証書遺言の特徴と遺言書が持つ5つの効力

自筆証書遺言を書くために準備すること

ここからは自筆証書遺言(以下、遺言書)を作成するための説明に入っていきます。

まず、遺言書を作成するためにどのような財産があるのか、改めて資料を確認しましょう。

遺言書には財産を明確に記す必要があり「家は〜」「もっている不動産は〜」といった曖昧な表現は無効です。きちんと財産について具体的に記すためにも、何を自分がどれくらい所有しているのか確認しましょう。

【確認しておきたい資料の一例】

・不動産の登記簿

・預金通帳や証券口座の情報

・ゴルフ会員権や保険証書

・絵画や装飾品など、動産の明細書

 

 

自筆証書遺言の書き方のルール

それでは、実際の自筆証書遺言の書き方について解説していきます。

全文手書きで書くこと

本文は必ず自筆で書きましょう。代筆やパソコン作成は認められていません(ただし、財産目録や添付資料はパソコン作成可能)。

また紙はA4サイズのものを使い、ペンも鉛筆やシャープペンシル、フリクションといった書いた文字が消えてしまう可能性があるペンは避け、ボールペン等で書くようにしましょう。

日付と氏名を記入すること

日付と氏名、タイトルなどの本文内容と関連しない部分についても、全て自筆で書き記します。

また「2021年1月吉日」といった表現は日付の特定が出来ず無効になりますので、避けてください。

正しく押印すること

押印は実印ではなく認印でも大丈夫です。ただしスタンプ印は避けてください。

また拇印や指印でも遺言書の印鑑としては問題ないという判例もありますが、遺言書の拇印が本人のものか確認する方法が難しいため、避けた方がよいでしょう。

遺産分割の方法を正確に指定すること

「家は全部譲る」といった、一見すると明確ですが、実は曖昧な表記は避けましょう。この場合

家=自宅と別荘を所有していた場合、どれを「家」と指しているか不明

全部=どこからどこまでを「全部」と表記しているか不明

といったように、範囲が不明確です。漠然とした表現は避け、明確に土地の情報や広さ等は示すようにしましょう。

【明確に記載すべき項目】

・不動産→登記簿謄本に記載のある情報全て

・預金通帳→銀行名、支店名、口座番号、預金口座名義

・上場株式→証券口座の情報(銀行名、支店名、口座番号、預金口座名義)

・ゴルフ会員権→名称、会員番号、預託金証券番号、預託金証書記載金額

・保険証書→生命保険会社名、保険記号(証券番号)、被保険者、保険金額

 

訂正がある場合、所定のルールに従うこと

訂正する場合、元の文章内容がわかる形で二重線を引いて消し、どこの箇所を訂正したかを欄外などに記載することで、文書の訂正が完了します。適切な修正方法で対応することで、遺言書が無効になることを防げます。

1:変更箇所に二重線を引き押印。どこが間違った箇所かわかるようにする。

2:欄外などに変更した旨を書き記し、署名押印する。

余白には何も書かない(保管制度利用の場合)

遺言書が複数枚に渡る場合でも、ページ数の記載や裏面への記入はしてはいけません。

四隅はそれぞれ、5〜20ミリほど余白の規定がありますので、紙のサイズ(A4サイズ)には余裕をもった文字サイズで作成をしましょう。

 

ダメなケース紹介

続いて、よくある遺言書のNG事例をご紹介します。

これから紹介するケースは、遺言書が無効となりますので注意しましょう。

 

ワープロやパソコン書き、代筆

自筆証書遺言は遺言書が全文手書きで書かなくてはいけません。そのため、パソコン等での作成や代筆をした時点で無効となります。相続財産が多く、遺言書の内容が多岐に渡る場合は、自筆証書ではなく公正証書遺言の作成に切り替えるなどし、適切な準備をしていきましょう。

印鑑ではなくサインだった

自筆証書遺言には署名と合わせて印鑑が必要ですが、こちらは実印でも認印でも構いません。

また避けた方が良いですが拇印や指印でも可能です。ただし、サインとスタンプ印(シャチハタ等)、花押は無効となりますので、注意しましょう。

財産の特定性をはっきりさせる

財産の特定性がないと、遺言書は無効になります。

・場所の名称のダメな事例:自宅、家、◯◯の土地を〜等

・対象者の名前のダメな事例:お母さん、お兄ちゃん、おばあちゃん等

・相続割合のダメな事例:貢献度に応じて等

この3点は第三者が見てもわかるよう、明確に記すことを心がけましょう。

2名以上の連名での作成

遺言書は、遺言者1名で作成しなくてはいけません。よくある誤った事例では、両親揃って子どもに対して連名で遺言書を書くといった場合です。こちらは無効になりますので避けましょう。

 

自筆証書遺言の雛形紹介と書き方紹介

ここでは、実際の自筆証書遺言の雛形を一例としてご紹介します。

ご自身ですでに作成をしている方は、一度専門家に有効か否かを確認すると安心です。

まとめ

遺言書として手軽に利用される機会が多い「自筆証書遺言」について説明しました。

ポピュラーとはいえ、全文自筆しなくてはいけないなど、そのルールは細かく、ミスも起こりやすいものです。

誤った記載をすると遺言書としての効力は無効となりますので、迷う方はプロの力を借りつつ、きちんと準備するのがおすすめです。